Brand History
1980s
19世紀末ウィーンを中心とした生活様式と、
至極のファブリックとの出逢い
VIENNAの始まり
19世紀末から20世紀初頭にかけてウィーンで興ったユーゲント・シュティール。
それは当時の建築家たちが牽引するモダンデザインへの流れであり、
インテリアや家具、工芸、ファブリックにまで至る総合的なデザイン・ムーヴメントでした。
そんなユーゲント・シュティールのデザインと、リズミカルかつ大胆なパターンで独特な風合いを持つウィーンのファブリックとの出逢いから、
「VIENNA(ヴィエナ)」の歴史は始まります。
1985年に最初の12アイテムが発表され、当時のイタリアモダンブームから一線を画した新しさと美しい個性を持つ商品は、
飲食店などの商業空間を中心に華やかな彩りを届けました。
Product
- V-1VIENNAはじまりの椅子。
日本の生活様式に馴染みやすい直線を多用したパターンが特徴的なユーゲント・シュティール風の椅子をモチーフに、
ハーフアームにアレンジしたチェアです。 - V-219世紀末に多用された馬蹄形で床摺りの椅子をモチーフにリデザインしたアームチェア。
球形の補強材パーツはオリジナルデザインの楕円形をアレンジしており、細部にまでデザインが施されています。 - V-91908年に発表された優雅な猫足と個性的な背張枠が特徴の椅子をモチーフにしたサイドチェア。
オリジナルデザインの雰囲気は残しつつ、過度なクラシック要素を削ぎ落としシンプルにアレンジされました。
1990s
ビーダーマイヤー様式の家具がラインアップに
1990年前後には、19世紀前半にドイツ、オーストリアを中心に広まったビーダーマイヤー様式をデザインの源とした家具がラインアップに加わります。
ビーダーマイヤー様式とは、それまで貴族の間で流行していたアンピール様式に代表される権威主義的で装飾過多な様式とは一線を画し、
新興ブルジョアジー達にもてはやされた遠く近代デザインを予感させる、よりシンプルなクラシック・スタイルです。
こうしてユーゲント・シュティールとビーダーマイヤー様式という2つのデザインを現代の暮らしに合わせて昇華する、
VIENNA独自のスタイルが確立していきました。
Product
- V-27後脚の曲線が座面を境に内向きから外向きに変形するビーダーマイヤー様式特有の形状で、
その美しい伸びやかな脚の上に可愛らしい笠木が乗る、ハイバックのサイドチェア。
背が大きく開いているためハイバックでありながらボリュームを感じさせない、スマートなデザインです。 - V-28ビーダーマイヤー様式において特徴的な脚部の曲線の変化を、正面から見たデザインに落とし込んだラウンジチェア。
2脚の椅子を向かい合わせにしたような個性的なデザインです。 - V-53ビーダーマイヤー様式の代表とも言えるデザインをモチーフにした椅子。
背の抜けた形状と小ぶりな設計による軽快さが、カジュアルからエレガントまで様々な空間に映えるサイドチェアです。
2000s
住空間への広がり
飲食店などの商業空間を中心に空間を彩ってきたVIENNAでしたが、
インテリアコーディネーターという職種の広がりも影響し他にはない華やかなデザインが住空間でも脚光を浴びるようになります。
そこで2000年前後には、主軸であったダイニングチェアにソファやキャビネット、
ダイニングテーブルなどトータルで住空間をコーディネートできる様々な商品がラインアップに加わりました。
ファブリックにおいても、よりソファに映えるデザインやドライクリーニングなどの機能を持った布地が加わり、
豊かな住空間の創造に寄り添っていきました。
Product
- V-69木部フレームやコンパクトなデザインが多かったVIENNAのソファに初めて加わった、
ゆったりくつろぐことの出来る住空間向けにデザインされたソファ。
背の引き込みが空間に華やかな彩りを添えてくれます。 - V-85「上質な空間に映えるワンランク上のモダンクラシック」を目指してデザインされたサイドチェア。
正方形を入れ子に組み合わせたインパクトのあるデザインで、
曲線を多く用いるクラシックチェアとは一線を画す椅子です。 - VT-204ユーゲント・シュティールにおいて特徴的なリブ形状を脚部に取り入れたコンソール。
このリブ形状は様々なアイテムでシリーズ化されており、
トータルコーディネートで世界観を存分にお楽しみいただくことも可能です。
2010s
デザインの原点回帰
19世紀末のウィーンを原点にユーゲント・シュティールから始まったVIENNAは、
その源流でもあるビーダーマイヤー様式や様々なクラシック要素を取り入れながら現代風のモダンクラシックとして浸透していきました。
2010年代にはそれまで付加してきた様々な要素を削ぎ落とし「原点回帰」をテーマに、
VIENNAデザインの源であり過渡期における曖昧さの放つ魅力の根源とも言える19世紀末のウィーンに改めて光をあてた商品を世に送り出しました。
Product
- V-310ユーゲント・シュティールの原点に還るべく1900年代のデザインに着目。
当時の日本文化(ジャポニズム)の影響を受けてデザインされた椅子をアレンジしたサイドチェアです。
刀の鍔をモチーフにした背の木部をファブリックの張り込みに変更し、デザイン性と座り心地の両面を追求しています。 - V-3111985年に発表された最初の12アイテムの一つであるV-9のサイドチェアを、
よりオリジナルに近い形状でリデザインしたチェア。
高度な技術を用いて実現した、線の細い猫足と独特な背の形状が特徴的な優雅な椅子です。
2020s
「VIENNA neu」として、新たな時代の幕開け
2019年にはこれまで紡がれてきたVIENNAの歴史を受け継ぎ、
オーストリアの公用語であるドイツ語で「新しい」という意味の単語を加えた「VIENNA neu(ヴィエナ ノイ)」として新たな一歩を踏み出しました。
2019年、2020年と続けて新商品を発表し、2021年には世界の最新インテリア情報が集まる青山にフラッグシップショールームをオープン。
VIENNAとして届けてきた独自の世界観を深化させながら継承し、「歴史」と「現代」が語り合う新しいクラシックスタイルで、
唯一無二の美しさと個性豊かな空間を創造し続けています。
Product
- V-331ゴシック様式のリブヴォールトを連想させる大胆な背面が印象的な、VIENNA neuを代表するサイドチェア。
ハイバックな背は抜け感がありながらしっかりと体を包み込むような至極の座り心地で、優雅なひと時をお過ごしいただけます。 - V-333VIENNA最初の12アイテムの一つ、V-2にも用いられた馬蹄形の床摺り椅子を大胆かつ象徴的にリデザインしたアームチェア。
2本の後脚をつなぐ球体は意匠としてのみならず構造体としても生かされており、
「構成と装飾の一致」を理念としたユーゲント・シュティールの目的を再現しています。 - V-334前面を大胆に開けたアームが抜け感を演出する、ロビーやラウンジなど多様な空間に映えるソファ。
水平と垂直が強調されたデザインはユーゲント・シュティールのエッセンスを感じさせますが、
単純な線の構成はモダンにも通じるデザインです。